【AIの最新技術】「Transformer」の仕組みを分かりやすく解説!
「今日の夕飯は何にしようかな?」
スマホに向かってそう話しかけたら、AIが色々なレシピを教えてくれる。海外の友達にメッセージを送ったら、あっという間に相手の国の言葉に翻訳される。
私たちの生活にすっかり馴染んだAIの技術。その中でも、特にすごいのが文章を理解するAIなんです。 今回は、そんな文章理解AIの代表的な技術「Transformer(トランスフォーマー)」について、分かりやすく解説していきます!
Transformerって何?魔法の翻訳機!?
Transformerは、まるで魔法の翻訳機!英語で書かれた文章を日本語にしたり、逆に日本語の文章を英語にしたりするのが、とっても得意なAIの仕組みのことです。
でも、Transformerができるのは翻訳だけじゃありません。
- AIがお手紙を書いてくれる!?: Transformerは、人間が書いたように自然な文章を作ることもできます。
- 質問に答えるAI: 「日本の首都は?」って聞いたら、スッと「東京です」って答えてくれるAIにも、Transformerの技術が使われているんです。
なんでTransformerはそんなにスゴイの?
今までの翻訳AIは、文章を前から順番に読んでいくのが苦手でした。でも、Transformerは違うんです!
Transformerは、文章全体を一度に見て、単語同士の関係性を理解することができるんです。
例えば、「猫がそれを追いかけた」という文章があったとします。
今までのAIだと、「それ」が何を指しているのか、文脈から判断するのが難しかったんです。でも、Transformerは、「猫」と「それ」が関係している!ってことを、スッと理解できるんです。
Transformerの頭の中を覗いてみよう!簡単な構造解説
Transformerは、大きく分けて2つの部屋でできています。
- エンコーダ(理解する部屋): 文章を読んで、その意味を理解するお部屋
- デコーダ(文章を作る部屋): 理解した意味をもとに、新しい文章を作るお部屋
Ashish Vaswani,Noam Shazeer,Niki Parmar,Jakob Uszkoreit,Llion Jones,Aidan N. Gomez,Łukasz Kaiser,Illia Polosukhin 2017 Attention Is All You Need 3 より画像の引用
エンコーダ:文章の意味をギュッと凝縮!
エンコーダのお部屋では、入力された文章がこんな風に処理されます。
- 言葉を数字に変身!(Embedding層): まず、文章の中の単語を、コンピューターが理解できる特別な数字の形に変えます。「I like apples」だったら、「I」は[0.1]、「like」は[0.5]、「apples」は[0.9]みたいに、それぞれの単語が持つ意味合いを数字で表すイメージです。
- 言葉の順番も記憶!(Position Encoding層): 次に、単語が文章のどの位置にあるのかという情報も付け加えます。「like apples」と「apples like」では意味が違うから、順番の情報も大切なんです。
- 言葉同士の関係性を理解する魔法!(Self-Attention層): ここがエンコーダのすごいところ!文章の中のそれぞれの単語が、他の単語とどんな関係があるのかを調べます。
- 例えば、「猫がそれを追いかけた」だったら、「それ」が「猫」のことを指している!という関係性を理解します。
- これは、まるで友達グループの中で、「あの人(それ)は誰のこと言ってるのかな?」って考えるのに似ています。
- 考えを整理整頓!(Position-wise Feed Forward Network層): Self-Attentionでわかった単語同士の関係性をもとに、それぞれの単語の意味をさらに深く理解できるように整理します。
- 何度も繰り返して深く理解!: これらの処理を何回も繰り返すことで、エンコーダは文章全体の意味を深く理解していきます。まるで、難しい本を何回も読み返すうちに内容がよくわかるようになるのと同じです。
デコーダ:理解した意味を言葉に変える!
デコーダのお部屋では、エンコーダが理解した文章の意味をもとに、新しい文章が作られます。
- エンコーダの知識を受け取る: エンコーダが頑張って理解した内容を受け取ります。
- 翻訳文を作る準備 (Self-Attention with Masking): まだ作っていない部分を隠しながら、すでに作った単語とこれから作る単語の関係性を考えます。「私はリンゴが」まで作ったら、「好き」という言葉が次に来そうだな、と予測するようなイメージです。
- エンコーダの情報も参考に! (もう一つのSelf-Attention層): エンコーダが理解した元の文章の情報も参考にしながら、より正確な翻訳文を作ります。
- 言葉を順番に作り出す: 一つずつ言葉を選びながら、文章を完成させていきます。
- こちらも何度も繰り返す: デコーダも、これらの処理を何回も繰り返しながら、より自然で正しい文章を作り上げていきます。
Transformerのスゴさの秘密兵器!Self-Attention
Transformerが特に優れているのは、この**Self-Attention(セルフアテンション)**という仕組みのおかげなんです!
Self-Attentionは、文章の中のそれぞれの単語が、他の単語とどれくらい関係があるのかを数値化してくれます。
例えば、「猫がそれを追いかけた」という文章なら…
- 「猫」と「それ」の関連度は 高い!
- 「追いかけた」と「それ」の関連度も 高い!
というように、単語同士のつながりをコンピューターに教えてくれるんです。
Self-Attentionのおかげで、Transformerは文章全体の関係性をしっかりと理解できるので、より自然で正確な翻訳や文章生成ができるんですね。
Transformerはどうやって賢くなるの?
生まれたばかりのTransformerは、まだ言葉の意味を何も知りません。では、どうやって賢くなるのでしょうか?
それは、大量の文章を読んで学習するんです!
たくさんの文章を読み込むことで、Transformerは単語の意味や文章の構造、文法などを覚えていきます。そして、Self-Attentionの仕組みを使って、単語同士の関連性を学習していくことで、どんどん賢くなっていくんです。
Transformerはこんなところで活躍中!
- Google翻訳などの翻訳アプリ: 海外旅行で言葉が通じなくても安心!
- 文章作成AI: ブログ記事やメールの草案作成をサポート!
- AIチャットボット: あなたの質問に的確に答えてくれる!
まとめ:TransformerはAI技術の未来を切り開く!
今回は、AIの文章理解技術「Transformer」について、解説しました。
Transformerは、文章を理解する能力が非常に高く、私たちの生活をより便利で豊かなものにしてくれる、とってもすごい技術です。
今回の記事で、少しでもTransformerに興味を持っていただけたら嬉しいです! これからも、AI技術の進化から目が離せませんね!
さらに詳しく学びたい方へ
- (参考にしたブログ記事へのリンク)https://crystal-method.com/blog/transformer-2/
- (Transformerの論文へのリンク)https://arxiv.org/abs/1706.03762
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