ディープラーニングの心臓部:ニューラルネットワークの仕組みを解き明かす
近年のAIブームを牽引するディープラーニング。その根幹をなす技術が「ニューラルネットワーク」です。画像認識、音声認識、自然言語処理など、様々な分野で驚異的な性能を発揮し、私たちの生活を大きく変えつつあります。
しかし、その仕組みは一見複雑で、なかなか理解しづらいと感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は、ニューラルネットワークの基本的な仕組みを、できるだけ平易に解説していきます。
ニューラルネットワークとは
脳の神経回路網を模した「パーセプトロン」
ニューラルネットワークは、人間の脳の神経回路網、つまりニューロンのネットワークを模倣して作られたアルゴリズムです。その基本単位となるのが「パーセプトロン」と呼ばれるモデルです。
パーセプトロンは、複数の入力を受け取り、それぞれに「重み」を掛けて合計します。さらに、「バイアス」と呼ばれる値を加え、最後に「活性化関数」を通して出力を決定します。
- 入力: 処理対象となるデータの特徴量です。例えば、画像認識ならピクセルの輝度値、文章であれば単語の出現頻度などが相当します。動画では、手書き数字の画像を例に、28×28ピクセル=784個の入力が用いられています。
- 重み: 各入力の重要度を示すパラメータです。学習を通じて、最適な値に調整されます。
- バイアス: ニューロンの発火のしやすさを調整するパラメータです。
- 活性化関数: 入力の重み付き和に非線形変換を施し、出力値を決定します。シグモイド関数やReLU関数などが代表的です。
情報を抽象化する「階層構造」
ニューラルネットワークは、このパーセプトロンを複数層に積み重ねた「階層構造」を持っています。
- 入力層: 外部からデータを受け取る層です。
- 隠れ層: 入力層と出力層の間に位置する層で、ここがニューラルネットワークの肝となります。情報を段階的に抽象化し、データに潜む複雑なパターンを抽出します。動画では、16個のニューロンからなる隠れ層が2層あるネットワークが例示されています。
- 出力層: ネットワークの最終的な出力を得る層です。例えば、手書き数字認識では、0から9までの各数字に対応する10個のニューロンが出力層に配置され、それぞれのニューロンが、対応する数字である確率を出力します。
「学習」によって賢くなるニューラルネットワーク
ニューラルネットワークの強みは、大量のデータから「学習」できることです。学習プロセスでは、以下のステップが繰り返されます。
- 順伝播: 入力データがネットワークを伝播し、最終的な出力が計算されます。
- 誤差計算: 出力結果と正解データとの間の「誤差」を計算します。
- 逆伝播: この誤差を、出力層から入力層に向かって逆方向に伝播させ、各パーセプトロンの「重み」と「バイアス」を少しずつ調整します。この「誤差逆伝播法」により、効率的にネットワーク全体を最適化できます。
この学習を繰り返すことで、ニューラルネットワークはデータの特徴を捉え、高精度な予測や判断を行うことができるようになります。
4. まとめ:ディープラーニングの可能性
ニューラルネットワークは、ディープラーニングの中核をなす技術であり、その応用範囲は急速に拡大しています。今回解説した内容は、その基礎の基礎に過ぎませんが、この仕組みを理解することで、AI技術に対する理解が深まり、その可能性をより具体的にイメージできるようになるでしょう。
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防大卒の元幹部自衛官。自身も婚活パーティーで知り合った5歳上の女性と結婚。元幹部自衛官の経験を活かして、自衛官を婚活相手としてみた場合の価値や自衛官との婚活方法をアドバイスしてます。